中国証券業界の関係者は、深センと香港の株式相互取引制度「深港通(深セン・香港ストックコネクト)」の導入により中国本土と香港の相互取引が拡大し、証券会社の手数料収入が一段と増加すると予想する。
「ハンセンAH株プレミアム指数が最低水準を更新したことで、A株に割安感からの買戻しが入ることが予想される。投資家はしっかりとA株の買い増しをすべきだ」と、前海開源ファンドの楊徳龍チーフエコノミストは「証券日報」の取材に応じた。
「深港通」の導入が近づくにつれ、本土A株と香港H株市場に同時上場している銘柄で、AH株のバリュエーションが大きく乖離している銘柄に市場が注目している。ハンセンAH株プレミアム指数はこのところ下落が続いており、8月12日は122.65ポイントまで下落し、2015年10月7日以来の低水準となった。15日も下値を探る動きとなったが、126.47ポイントで終了した。
華泰証券研究所の羅毅所長助理は「証券日報」の取材に対して、「深港通」が開通すれば海外から新たな資金流入が期待できるため、証券会社の業績成長につながると指摘。金融制度改革を背景に、証券セクターは資本市場の市場化改革の恩恵を受け続けると予想する。「2014年11月の『滬港通(上海・香港ストックコネクト)』の導入を好感し、金融セクターの大型優良銘柄が買われて上昇トレンドを形成したが、『深港通』の導入も同様の効果が期待される」という。