三、G20の権威と影響力
G20の構成をみれば、それが世界の実務で巨大な影響力を発揮する国家の集まりということが分かり、国連安全保障理事会常任理事5カ国、世界の経済トップ5、世界の人口上位5カ国、5大新興国のBRICSがいずれも加盟している。
G20は加盟国が世界5大陸に跨り、国内総生産(GDP)の合計が世界経済の90%、貿易額が世界の80%、人口も世界の3分の2を占める。この影響度の大きさがあるためにG20はG7にとって代わり、世界経済協力の主要フォーラムとなった。
改めてG20の活動をみると、コーディネーター会議から作業部会、外相会議、財務大臣・中央銀行総裁会議とあって、最後には20カ国・地域の首脳会議(サミット)が続く。G20サミットは世界の最も影響力ある首脳20人が対話する場と言っても過言ではない。このような「重量級」の対話は当然、世界の金融や貿易に非常に大きな影響を及ぼし、世界の注目を集めることになる。
四、G20の多様性と包括性
G20加盟国の所在地域、所得水準、政治的立場、経済構造、人口には大きな違いがあり、G20に参加する各種団体が観点の多様性をさらに増やした。各国の成長プロセスや発展段階が異なるため、お互いに共有し、参考にできる点がたくさんある。
G20の規模は国連や世界銀行と比べものにならないが、包括性は非常に大きい。アジアインフラ投資銀行は地域発展に注力し、BRICSは一部の新興国自身の協調システムだ。上海協力機構は地域の平和安定を最優先に位置付ける。環太平洋パートナーシップ(TPP)ついては米国など少数の国家が現行システムからの脱却を目指すもので、別な手段を講じる排他的な小集団と言えるだろう。ここからわかるようにG20は、カバーする範囲や着目点だけでなく代表性という点からみても、包括性と互恵の特長を最も持つ対話システムで、これが国際社会の注目と信頼を受ける重要な要因の一つとなっている。