美図がA株に上場できない理由は、おそらく同社が毎年赤字を出しているからだろう。香港証券取引所の規定によると、収入が5億香港ドル以上で、市場価値が40億香港ドル以上であれば、同取引所に上場することができる。市場の評価から見れば、現在の美図の収入は7億元を超え、市場価値も50億ドル以上となっており、香港証券取引所に上場申請する条件は整っている。また美図は最近、5回の資金調達を行っており、その総額は5億ドルを超える。
スマホを使った「損して得とれ」の戦略
美図秀秀のアプリを開くと、トップページには「美化写真」と「人相美容」といった主要機能の他に、広告らしき2つのモジュールがあるのみ。それらは美図傘下の他のアプリのダウンロード誘導に使われており、他社の広告ではない。では同社はどうやって利益を得ているのだろうか。
美図の収益は主に「美図スマホ」とネットサービスから来ている。ネットサービスやネット広告、アプリなどで売れるバーチャル商品および美図スマホが、同社の主要な収入源である。
美図秀秀は2013年、自撮り専門のスマホ「美図スマホ」を売り出した。これこそ、美図が躍進することになったきっかけである。2013年から現在まで、美図スマホは同社の主要な収入源になっている。美図スマホから得られる収益は、2013年には同社収益全体の59.7%を占め、その後も2014年が87.8%、2015年が89.9%となっている。今年上半期は95.1%に達した。
美図スマホの発売によって同社は、2013年に8590万元だった営業収入が2014年には一気に4億8800万元に急増した。スマホ販売数は2.7万台から10倍に増えた。昨年の営業収入は7億4180万元、スマホ販売数は38万台だった。今年上半期の営業収入は5億8550万元となり、前年同期比で224.2%の成長率となっている。スマホ販売数は半年で29万台に上る。美図スマホは驚くべき大ヒットを記録している。
美図によると、この数年、同社にとって最大の顧客はスマホ販売店となっている。美図はすでに堂々たる「ネットスマホ企業」になった。同社は今後もスマホの販売規模を広げていくとしている。中国のスマホ市場には大きなチャンスがあると同社は考えている。あるレポートによると、昨年の中国のスマホ販売数は4億5700万台に上るという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月28日