中国は国を挙げて「環境の時代」を迎えている。環境業界の景気は上向きの動きが続き、資金調達需要も拡大が続くなど、資本市場は省エネ・環境関連企業の資金調達の主戦場と化している。
前回の主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議において、企業などの環境対策への取り組みに金融面で支援する「グリーン金融」が、来月開かれるG20杭州サミットの主要議題の1つに取り上げられることが確定した。 次段階では、調達資金の使途を環境配慮事業に限るグリーンボンドの発行に関する規定、『グリーンボンド発行手引き』に則って、条件を満たす企業による起債を奨励するほか、国家グリーン発展基金の設立も推進する。
中国人民銀行の推計によると、2020年までの「十三五」(第13次5カ年計画)期間中、中国のグリーン経済に年間で国内総生産(GDP)の約3%、金額にして年平均2兆元以上を投じる必要がある。なお、グリーン経済に向けた投資のうち、政府の出資は約10%~15%、民間資本は約85%~90%を占める。
浙江工商大学経済学院の李永剛教授は『証券日報』の取材に対し、「環境保全の取り組みとグリーン経済の発展は、中国の経済社会が発展する上で重要なものとなっている」と指摘。グリーン経済の発展促進に金融業界がどのように向き合うか、これは今後の金融業界の発展を左右するカギであり、杭州サミットで注目される議題でもあると述べた。その上で、この議題について話し合うことは、◇グリーン経済の発展は世界の経済社会の発展とって重要な意味をなすものであることが一段と強調される、◇金融業界は世界のグリーン経済の発展を推進をする役割を担うものとなる、ーーの2点に影響を与えるだろうと述べた。