世界経済の先行きが不透明ななか、間もなく開催されるG20杭州サミットに各方面から大きな期待が寄せられている。財政、金融、貿易などの議題に高い関心が集まっている。中国は「革新・活力・連動・包摂のグローバル経済の構築」 をサミットのテーマとし、「包摂的、連動的発展」を特別議題として提起。発展問題をG20の議事日程の中心に据え、持続可能な開発のためのアジェンダ実行をG20杭州サミットの重点活動の1つとする。
このような革新的な計画は前例が無い。世界の経済政策の枠組みで発展問題を初めて強調するとともに、初めて「持続可能な開発のための2030アジェンダ」実行をめぐる行動計画を策定する。これはG20というプラットフォームを危機対応型から長期的なガバナンス制度へモデル転換させ、政策面でも短期重視から中長期重視型への転換を図る重要な措置でもある。
「包摂的、連動的発展」には多くの意味が含まれる。客観的には、規制緩和、競争促進、イノベーション支援、財政・金融・労働力市場の改革推進、インフラ改善、雇用の充実などが挙げられる。主観的には、各国の「2030アジェンダ」実行が必要となるほか、包摂的成長を世界経済回復の指針とし、重要な推進力とする必要がある。このほか、各国が協調と連動を強化し、世界経済の成長促進、国際金融の安定維持、リスクと試練への対処について大きな役割を果たす必要がある。