中国でのG20サミット開催がいよいよ近づきつつある。大手メディア各社の報道を見ると、各国の学者が共通して関心を寄せている核心的な問題が依然として世界の経済成長であることがわかる。
中国人民大学重陽金融研究院執行院長の王文氏はこれについて、中国は現在、世界経済の成長を引っ張る機関車となっており、世界は中国の経験を改めて見直し、中国の改革措置を参考とするべきだと語った。「世界の経済成長に対する中国の貢献率は例年30%を上回っており、最高で50%に達したこともある。中国は現在、経済の下方圧力に直面しているが、世界経済の成長を引っ張る機関車であることに変わりはない」
華泰証券高級マクロアナリストの宋雪涛氏は「証券日報」記者の取材に対し、「世界の成長予測の安定や金融市場の安定に対し、中国はますます重要な積極的役割を果たしつつある」と語った。
宋雪涛氏によると、第一に、中国経済の安定成長そのものが、世界の成長予測を安定させる最大の薬となっている。世界銀行の推算によると、2015年、世界の経済成長に対する中国の経済成長の貢献率は26.1%に達し、世界トップとなった。GDPの年間成長率10%の時代はもはや過去のものとなったが、6%前後の成長率は依然として中高速成長に属する。世界の成長が軒並み鈍化している状況で、中国がこれだけの成長率を維持できれば、世界経済の成長を安定させる重しとなる。
「第二に、中国は今後も中高速成長を保持すると期待できる」。宋雪涛氏によると、表面的なレベルでまず、インフレや就業率、国際貿易収支がいずれも合理的な水準にあり、低金利(マイナス金利)で赤字の大きな国よりも金融・財政政策手段の余地が大きい。また深いレベルで見ても、経済の構造的な問題はあるものの、供給サイド改革や国有企業改革、ハイエンド製造業の発展など一連の措置が着実に推進されている。人口高齢化の問題は深刻化しているが、そのマイナス影響は長期的で緩慢なものとなる。今後の中国経済には失速や下降の要素はなく、中高速の成長が保持されると予期できる。
宋雪涛氏は最後に、さまざまな試練を経て金融市場が成熟しつつあることを挙げた。昨年の株式市場の大幅な波動は、中国の投資者と管理層に警鐘を鳴らし、多くの方面で教訓を与え、成長をもたらした。為替レート改革の後の金融市場の激震は、市場予測の作用と市場との有効な疎通の重要性を政策決定者に意識させた。さまざまな試練を経た中国の金融市場はますます成熟度を高めており、世界の金融市場の安定に今後さらに大きく貢献していくものと考えられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月3日