中国国家統計局の盛来運報道官は国務院新聞弁公室の記者会見で、8月の経済指標は一部でやや改善がみられ、新たな原動力が急成長していると指摘した。国民経済は基本的に安定を維持し、安定の中改善に向かう傾向にあるとしている。
盛来運報道官は、「全体として、8月の主要経済指標にはポジティブな変化が見られる」とし、経済運営に関する10の注目ポイントを次のように挙げた。
【1】工業が安定回復に向かっている。
8月の一定規模以上工業企業の生産額(付加価値ベース)は前年同月比6.3%増と、6カ月連続で6%以上の伸びを維持、顕著な回復傾向が示された。工業発展の関連指標では、発電量の伸びが前月より0.6ポイント加速。鉄道貨物輸送量の伸びは、前月が前年同月比5.8%減だったが、今月は1%増に転じた。製造業購買担当者指数(PMI)は好不況の分かれ目となる50を回復した。
【2】投資の伸びに安定の兆しがみられる。
2016年1-8月の固定資産投資の伸びは1-7月から横ばい。8月単月では前年同月比8.2%増と、7月から4.3ポイント加速した。
【3】消費と輸出が回復。
8月の社会消費財小売総額の伸びは名目、実質ともに前月から0.4ポイント加速した。輸出入総額については、輸出が5.9%増と、前月より4.2ポイント加速、輸入は10.8%増とプラスに転じ、内需回復がうかがわれる。
【4】雇用は全体的に安定。
【5】PPIの改善が目立つ。
8月は生産者物価指数(PPI)の低下率が大幅に縮小し、国内の需給関係がやや改善していることがわかった。
【6】工業企業の利益が回復。
1-7月の一定規模以上の工業企業の利益は6.9%増加した。