労働生産性は一国の経済が成長性を持つかを判断する象徴的な指標だ。国家統計局が発表した最新データによると、中国の過去20年間の労働生産性の成長率は、米国、ユーロ圏、日本、インド、世界平均を上回った。しかし中国の労働生産性は2015年の時点で世界平均水準の40%のみで、米国の労働生産性の7.4%のみだった。
国家統計局国際統計情報センターが発表した報告書は「中国の単位当たり労働生産水準は低いが、成長率は高い。これは中国経済が活力を持ち、成長の大きな潜在力を秘めていることを反映している」と指摘した。
国家情報センターの范剣平チーフエコノミストは、記者からのインタビューに応じた際に「中国は現在、成長率低下の圧力に対応している。中国は安定的かつ持続可能な成長を維持しなければならない。重要な着眼点は労働力の素養の向上で、人口の質のボーナスをさらに開発し、科学技術の進歩により労働生産性を高めなければならない」と分析した。
国家統計局の報告書は「中国の労働生産性には向上の余地が残されている。中国の労働生産性は今後長期間に渡り、高い成長率を維持すると見られ、向上の余地が依然として大きく残されている」と指摘した。
范氏は、中国の労働生産性の向上で重要な基盤となるのは、人材ボーナスだと判断した。データを見ると、中国の現在の生産年齢人口の平均的な教育期間は10年前後で、世界平均水準を上回っている。新しい世代は13年前後に達しており、中等先進国の平均水準に迫っている。また中国の教育モデルも改善されており、知識の詰め込みから革新的な思考を重視する素養教育モデルに変化しつつある。これは未来の労働生産性の持続的な向上を促す。
范氏は「国家は今年、多くの政策を調整し、革新体制の構築を行った。これまでは研究開発費がGDPに計上されておらず、地方政府の鉄筋コンクリートやアスファルトの大量投入によりGDPが成長していたが、現在は研究開発費がGDPに計上されるようになった。この改革は理想的な指揮棒だ。同時に企業の研究開発費を所得税から控除する政策を調整し、多くの企業をその対象とし、さらに3年前まで遡り控除した。構造的な減税により、限りある現在の資源を企業の研究開発に用いている」と説明した。
范氏は、中国の科学技術革新は多くの障害に直面していると強調した。知的財産権は十分に保護されておらず、偽造品が氾濫しており、オリジナルの積極性が低い。法に基づく国家統治、知的財産権の保護を強化する必要がある。政策の調整により、不動産業界の暴利という現象を撲滅し、実体経済と科学技術の研究開発の収益率を高める必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月20日