9月22日に発表された「2015年度中国対外直接投資統計公報」によると、中国の2015年の対外直接投資額は世界の9.9%を占め、前年比18.3%増で米国に次ぐ2位となった。また中国の同期の外資導入額を上回り、資本項目の純輸出を実現した。
専門家は、「開放型経済がある程度の水準まで発展すれば、通常は資本輸出国になる。中国経済がモデルチェンジとアップグレードを実現するためには、対外投資・協力による資源配置の改善とバリューチェーンの再構築が必要になる。しかしそれと同時に、企業の海外進出はリスク管理を重視するべきだ」と指摘した。
対外直接投資額が過去最大に
対外投資・協力は中国と世界各国の経済の深い融合であり、ウィンウィンを実現するための架け橋だ。中国の2015年の対外直接投資額は新たな段階に上がり、13年連続の急成長を実現し、1456億7000万ドルという新記録を樹立した。
中国商務部国際貿易交渉副代表の張向晨氏は、国務院新聞弁公室が22日に開いた記者会見で「中国は2015年に資本輸出国になった。中国の発展水準は、この段階に達した。中国は現在、世界2位の経済大国であり、世界一の貨物貿易大国、世界一の製造大国でもある。外貨準備高は長年連続で世界一を維持している。これは中国企業の対外投資の堅固な物的基礎となっている」と述べた。
多元化、ハイエンド化の傾向が強まる
中国の対外直接投資は多岐に及び、生産能力・設備製造をめぐる国際協力が加速されている。2015年は企業の対外投資とM&Aが活況を呈し、海外M&Aが急成長した。
統計公報によると、中国企業は2015年に対外投資・M&Aを579件実施した。直接投資額は372億8000万ドルで、実際の取引金額の68.5%を占めた。M&Aの金額を見ると、製造業が137億2000万ドルでトップ。情報伝達・ソフト及び情報技術サービス業は84億1000万ドルで2位。
商務部研究院国際市場研究所副所長の白明氏は「これまで中国の対外投資の多くは、小型のローエンドな投資だった。現在の対外投資の方向性は、革新駆動、生産能力をめぐる国際協力といった戦略と密接に関連している。国内企業の対外投資先は、多元化・ハイエンド化の発展を続けている」と分析した。
張氏は「中国企業は海外M&Aにより、デザイン、研究開発、マーケティング、サービスといったハイエンド生産要素を手にし、世界のバリューチェーン、産業チェーン、物流チェーンにおける地位を高めることができる」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月23日