モトローラは役立たず? 業界ウォッチャーの梁振鵬氏によると、モトローラの携帯電話部門は当時、モデルチェンジがうまくいかずに大きな赤字を出しており、そのためグーグルに売却したとした上で、買収したグーグルはモトローラの技術資源と特許資源を全て吸収したと説明する。つまりモトローラは抜け殻でしかなく、残ったのはブランドだけということだ。 業界ウォッチャーの洪仕斌氏は、レノボのリストラは理性的な措置だと話す。レノボの携帯電話部門は突き抜ける時期を探っている最中であり、今回のリストラはレノボにとって最も有益な措置である。レノボのモトローラ買収は大成功事例ではなく、現段階のモトローラはレノボにとっては負担だと話す。
レノボの多ブランド戦略は失敗か? レノボ傘下のブランドにはモトローラ以外にも数多くある。レノボの多ブランドスマホ戦略は失敗したのだろうか。 梁振鵬氏は、多ブランドでの運営自体に問題があるわけではないと述べる。しかしレノボの多ブランド戦略の問題点は、親ブランドと子ブランドを分け、異なるポジショニングを設けていないことにあると指摘する。高級感、価格、機能、顧客の年齢層、顧客の文化レベルなどで明確なポジショニングを設定しなければならない。さもなければブランド間で食い合いを引き起こし、内部消耗してしまうと解説する。 洪仕斌氏は、親ブランドの優位性を立ち上げることを前提にしない同社の多ブランド戦略は無益だと指摘する。1つのブランドが非常に強い状況にあってこそ、他のブランドは単一ブランドでの生産ラインの欠点を補うことができるのだ。
IBM買収時と何が異なるのか 洪仕斌氏は、レノボがIBMのPC部門を買収したときと、モトローラを買収したときで最も異なる点を指摘している。レノボによるIBMのPC部門買収は、PCのグローバル拡大戦略を補うというメリットがあった。モトローラ買収時はすでにスマホ時代であり、モトローラのスマホは研究開発において際立った実力を持っていたわけではなかった。 梁振鵬氏は、レノボは本質的に営業が強い企業であり、技術先行型の企業ではないと指摘する。「スマホ業界の競争は激しい。市場が成熟する中にあっては、技術的な差別化が必須となる。モトローラの携帯電話部門を買収したレノボの最大の失敗は、技術先行型のイノベーティブな企業へのモデルチェンジに成功しなかったことにある」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月10日