北極海航路の航行距離は既存の航路の3分の1で、欧州からアジア太平洋地区への輸送コストが節約できる。このほか、北東アフリカのように海賊が頻繁に出没することもない。
ロシアのムルマンスク港から上海港までの航行距離を比べると、北極海航路は1.06万キロ、スエズ運河ルートは1.77万キロだ。
旧ソ連は以前、この航路を利用した毎年数百万トンの貨物輸送に経済的支援を行っていたが、コスト高騰により計画は中止。その後、クレムリンが再開を決定した。
北極海航路再開の原因は何か?世界的な気候変動により北極海の氷河が大幅に融解。これが原子力砕氷船の作業にプラスとなり、航行時間が徐々に増えることになった。
専門家は「2040年には気温上昇による氷河融解で、北極海は夏季には完全に海となり、1年のうち数カ月は砕氷船の作業が継続できる」とみている。