世界第2位の経済大国になった中国。GDP成長率の高さは、いまだ世界で抜きん出ている。しかしアンバランスな経済構造問題は根深い。地方政府の債務が大きなリスクとなっているほか、産業能力をいかに順調に高めていくべきかなど、中国政府のマクロ調整能力が問われている。
今回の不動産価格の高騰は、疑いなく中国の経済構造をアンバランスなものにしている。「不動産頼みの中国経済」が再現されているのだ。現在、実体経済は芳しくなく、従来産業は生産過剰に陥っている。昨年の中国株式市場の暴落によって行き場を失った資金は、不動産市場に流れ込んでいる。その結果、不動産バブルが膨らんだ。
「中国金融40人フォーラム」の高級研究員である管涛氏は、不動産市場の厳しい規制はバブル抑制のためであり、早い時期にやればやるほど実体経済にとってメリットだと話す。経済が安定してこそ金融も安定し、為替相場も安定するのだ。
10月10日に国務院が発表した「企業のレバレッジを積極的に抑制することに関する意見」には、厳格な管理と有効なリスク防止策についての言及がある。リスクの予見性とリスク防止の有効性の向上と、レバレッジの厳密な管理が、株式市場や為替市場、債券市場など金融市場のリスクを下げ、他市場への波及を防ぐ。