中国国家統計局が先ごろ発表した2016年9月の消費者物価指数(CPI)は、前月比で0.7%上昇、前年同月比では1.9%上昇した。生産者物価指数(PPI)は前月比で0.5%上昇、前年同月比では0.1%上昇となり、4年半ぶりに「プラス成長」に転じた。
これまでマイナス成長が続いていたPPIが「前年比でプラスに転じた」ことに、海外の各方面が注目している。世界経済の不振、国際商品価格の下落など多くの要因が重なり、中国のPPIは2012年3月から低下が続き、工業生産はデフレ圧力に晒されてきた。今年に入ってからは、この傾向が改善し、PPIの低下率は縮小し続けた。9月はついに0.1%の上昇に転じ、54カ月連続の低下傾向に歯止めがかかった。
国家統計局都市司の余秋梅シニア統計司は、「成長安定化、生産能力削減、在庫削減などの政策を背景に、今年に入ってから中国の工業は供給過剰がやや和らぎ、重点産業の在庫や販売量は改善に向かっている」と分析。国際市場の原油や鉄鉱石、非鉄金属などの商品市況はやや好転、国内の工業製品価格も上昇傾向にあるという。