香港地区のニュースサイト「アジア・タイムズ・オンライン」の12日の報道によると、ポンドの対ドルレートが1985年以来の最低水準に落ち込む一方、ロンドンの中心的なショッピングエリアであるウエスト・エンドでは、中国のゴールデンウィーク(国慶節)期間の中国人旅行者の消費急増が話題を集めている。今年は10月9日までだった中国のゴールデンウィーク期間、中国人旅行者のウエスト・エンドでの買物額は昨年同期比で307%増加した。一回あたりの平均取引額も109%高まり、驚きの1256ポンドに達した。
中国では旧正月と国慶節の二つのゴールデンウィークがあるが、この期間の旅行者は7億5千万人に達する。親戚や友人を訪ねる人もいれば、リゾートへ休暇を過ごしに行く人もいるが、近年は海外旅行に出かける人がますます増えている。今年のゴールデンウィーク期間には、500万人の中国人旅行者が海外を訪れたと推算されている。以前は団体旅行が多かったが、今では個人旅行を選ぶ人も増えている。
英国政府観光庁は、中国人旅行者の英国での消費を2020年までに倍増し、年間10億ポンドに到達させるという野心あふれる計画を掲げている。ポンドレートの暴落に後押しされ、この戦略は、少なくとも今年末まではターゲットとして掲げられ続けるものと考えられる。旅行業界調査会社「ForwardKeys」の最新のフライト予約データによると、今年10月から12月までの中国から英国へのフライト予約は昨年同期から24%増えている。
報道によると、ポンド安で利益を受けているのは中国人消費者だけではない。少なくとも短期的には、国民投票でのブレグジット承認は、英国のラグジャリーブランドにも利益を与えている。6月の国民投票前には4年ぶりの最低水準の10ポンドだったバーバリーの株価は、10月には15ポンドを超えた。同社の時価はこれで20億ポンドを超えた。ドイツ銀行によると、バーバリー社は今会計年度(2017年3月まで)、ポンド安で1億千万ポンドの利益を得ることになる。
英国人がブレグジットで頭を抱える中、数十万人の中国人旅行者がすでに、ブランド品をいっぱいに詰め込んだトランクを抱えて帰国している。彼らはまたすぐに英国に戻ってくるだろうか。それはポンドレートの値動きにかかっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月22日