政治が比較的に安定しているため、複数の新興国で経済回復が見られる。過去10年間に渡り、新興国は国際情勢の発展への適応力をつけた。新興国の輸出中心型の成長モデルへの依存度は低く、よりバランスの取れた成長モデルとなっている。GDPに占める国際貿易の割合が3分の1のみの新興国がほとんどだ。アジア、ラテンアメリカの大型新興国は、多くの国内消費者というメリットを持つ。これらの新興国の消費者のうち、大多数が中産階級になろうとしている。そのため新興国は内需により成長を目指すことができる。
2017年のアジア経済は安定成長の流れを維持し、GDP成長率は5.9%に達する。アジア経済はこの5年間に渡り安定的な成長率を維持してきたが、これは政府が財政・金融刺激により経済をフレキシブルに調整してきたからだ。インフラ整備への投資が、同地域の経済成長の重要な動力になると共に、雇用機会を効果的に生み出し、生産効率を高める。インフラ投資は2017年に、アジア経済の成長率を1.5ポイント押し上げる。「一帯一路」の建設は、インフラ投資を促す主な動力になる。