一方、英国の欧州連合(EU)離脱とトランプ氏の次期米大統領当選はグローバル化の進展を阻害するという見方があるが、私はこれに賛同しない。世界的に自由貿易協定の効果が過大評価されてきたが、実際には貿易は各国の国内需要の伸びによって決まるものだと私は考えている。
中国経済の見通しについては、2020年まで6~7%程度の成長が続くだろう。世界経済については、賃金水準の上昇や緩和的な金融政策、財政支出の拡大、商品市況の回復が世界的なデフレ圧力の緩和につながっていると考える。ロシアとブラジルは足元で深刻な経済問題を抱えているが、商品市況が回復すれば、最大の受益国となるだろう。中国経済は今なお成長を続けており、6%のスピードで成長基調を維持すれば、世界経済成長に対する中国の寄与は米国を上回るだろう。
やはりこの「BRICs」という概念は素晴らしい。英国はこの「BRICs」の発展、特に中国の発展から恩恵を受けており、ロンドンの人民元取引量は20年後にドルもユーロも超える可能性がある。