日本の青年の起業状況は低下傾向をみせる。11年に日本中小企業庁が発表した報告書によると、1987年には起業の意志がある人は178万4千人いたが、90年代に入ると急速に減り始め、07年には101万4千人になった。起業の主力といえる40歳以下の占める割合は87年の49.8%から07年は41.5%に低下した。
「三菱株式会社の山本です」の方が「山本商店の社長です」というより重みがある。中日商業貿易に従事する日本人によると、「日本人の所属意識の持ち方には2種類あり、働き出す前は学校が所属先になり、働き始めると会社が所属先になる」という。
起業の情熱に温度差があり、起業の動機は同一でなく、起業の方向性もバラバラだ。同研修学院の報告によれば、韓国の大学生の31.3%は外食産業での起業を志向し、中国の青年は革新に関わるIT(情報技術)分野に注目する人が20.1%に上る。韓国統計庁のデータでは、20歳代の韓国起業家でレストランやコンビニエンスストアなどのサービス産業に集まる人は74%に上るという。取材を通してわかったことは、日本人の起業は極めて限定的で、レストラン、カフェ、各種のオフィスに集中するということだ。
▽起業しない理由:危険、奇異な目……
起業しない理由は何だろうか。「ルールを重視する日本では、学校、仕事、結婚、子供、退職が1本のレールになっている。他人と違うことをすると、奇異な目で見られることになる」と話す伊藤征樹さん(40歳)は、13年に北京で起業し、料理教室を開き、日本の家庭料理を教えている。伊藤さんは続けて、「こうしたわけで、日本の若い人の多くは起業という選択肢を思いつかない。彼らの親の世代は一生サラリーマンで、起業家に会う機会がほとんどない。日本の世論では、起業は危険なことと思われている。起業に成功した一部の賢い人でさえ、部下たちに起業を勧めることはなく、与えられた仕事をきちんとこなすことだけを彼らに求める」と話す。