起業は危険なこと。韓国放送公社(KBS)が今年3月に放送したドキュメンタリー番組「明見万里」にも、こうした見方が反映されていた。この番組によると、中国の青年が起業する場合、国と社会が許容する失敗の回数は2.8回で、これは米国シリコンバレーの青年起業家の失敗する回数と同じだが、日本では1回、韓国では1.3回しか失敗は許されない。許される失敗の数が減るほど、試すチャンスも少なくなる。
事業をスタートするための資金が日本での起業における難題で、日本の起業家が数百万円もの融資を受けることは難しい。技術経済ウォッチャーの瞬雨さんは7日、「この世代の若者は大事に育てられた一人っ子が多く、何をするにも家族の応援を得やすい。起業は金のかかることで、ベンチャー投資はプロジェクトの成長期に出資することを好むため、誕生期の費用は自分でまかなうしかないケースがほとんどだ。若者にとって、家族の支援がなければ起業は非常に困難だ」と指摘する。「2016年中国大学生就業報告」のデータもこうした専門家の見方を裏付ける。15年度卒業生の自主起業にかかった資金は主に親や友人からの投資・借り入れ、自分の貯金から出ており、本科卒業生では78%に上る。商業ベンチャー投資や政府からの支援金の割合は低く、5%にも満たない。
韓国の状況は日本と似ている。韓国の青年にとって「起業に失敗するリスク」が最も心配なことであり、中日韓3ヶ国青年起業調査では、韓国の回答者の38%がこの点を不安要因に挙げた。中国では17.8%だった。