2016年の中国経済は「穏中求進」(安定の中で進展を求める)という基調で推移し、「十三五」計画(第13次5カ年計画、2016~20年)の良好なスタートを実現した。2017年は「十三五」計画を実施する重要な年であり、供給側の構造改革推進の深化の年でもある。
■1つの基調方針を堅持:「穏中求進」を堅持する方針は揺るがない
2016年は中国の経済成長率が3四半期連続で6.7%で安定した。投資は緩やかに安定に向かい、消費は安定のなかで上向き、輸出は減少から増加に転じた。PPI(生産者物価指数)は54カ月連続マイナス成長からプラスに転じ、生産分野のデフレ局面は和らいだ。製造業の購買担当者指数(PMI)は4カ月連続で好不況の分かれ目となる50を上回り、2年ぶり高水準に上昇、市場の見通しは楽観に傾いた。
「穏中求進」――近年の経済活動で堅持している基調方針は、2017年に新たな高いポジションに据えられ、国家統治の重要原則となる。また、「穏中求進」を新たな境地に向かわせる。
先ごろ開かれた中国共産党中央政治局会議では、「穏中求進」の基調方針が中国の国家統治の重要原則であり、来年の経済活動を指導するうえで重要な意義があると強調された。