また、上海市の関係筋は2015年の時点で、同市と証監会が共同で「滬港通」を踏まえた上で、「滬倫通」の検討を進めていると明かした。このほかにも、◇上海証券取引所でのベンチャー企業向け市場「戦略新興板」の早期創設、◇中国外貨取引センター、上海証券取引所による国際金融資産取引プラットフォームの創設、◇上海期貨交易所(先物取引所)での原油先物取引開始に向けた準備、◇決済機関の上海清算所での船舶ファイナンスやデリバティブ(金融派生商品)などの新たな決済サービスの検討、◇上海保険取引所の早期設立・開業――についても支援していく考えを示してきた。
公募ファンド、前海開源基金のチーフエコノミスト楊徳龍氏はこのほど『証券日報』の取材に対し、「中国A株市場は長い間、個人投資家を主体した市場だったが、「滬港通」、「深港通」、「滬倫通」の開始によって、投資家が投資哲学を変え、これまで以上に上場企業の価値を重視するようになるため、A株市場の長期的かつ健全な発展に非常に有利になるであろう。「滬倫通」の開始はA株に重要な意義をもたらすものであり、A株市場の開放度をさらに高め、国際化の進展に資するものとなる。投資家にロンドン上場銘柄を保有する機会を提供するとともに、国内投資家に世界に分散投資する方法をも提供することにつながる」と語った。