国際法律事務所のベーカー&マッケンジーが先ごろ発表したデータによると、2016年、中国の対米および対欧州の直接投資額が倍増し、史上最高となる940億ドルを記録したという。うち北米への投資金額は480億ドルで189%増、対欧州は460億ドルで90%増だった。中国企業の対北米投資額が対欧州投資を超えたのは2013年以来。
民間企業が中国の対欧米投資を牽引しており、全体取引額の70%を占める。国有企業が重視する投資は、純金融投資を通じた実体経済向けのものである。「2000年以降、中国の対欧州、対北米投資の半分以上が過去3年のものだ。これはグローバル化が持続的に影響していることと、中国経済が高度に経済成長していることを示している」と、ベーカー&マッケンジーのグローバルM&Aマネジャーが指摘している。
業界別でみると、対欧州投資が最も活発な業界は情報通信技術、交通運輸、公共サービス、インフラ設備、工業機械製造である。これらの業界が対欧州投資全体の70%を占める。2016年は欧州情報技術業界への投資が突出しており、投資水準はこれまで情報技術の面で盛んだった北米を超えている。それと比べて対北米投資は比較的業界が分散している。資本が投じられた業界は不動産、ホテルサービス、交通運輸、公共サービス、インフラ設備、消費品、サービス、娯楽などで、それらで北米投資全体の70%近くを占める。