東アジア全体を主導するのは日本の長年の夢で、今回、(米国から)「バトンを受け継いだ」のは日本がこの夢を実現させる上でまたとない好機だからだ。中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東室長は、「米国が東アジア主導の基礎をうち立てており、日本は是が非でもTPPを主導してこれを継続させたい考えだ」と分析する。
また日本はTPPの成果を重視する。呂室長は、「日本はTPPが日本の経済発展促進の重要な経済成長源になるとの見方を明確に示す」と指摘。共同通信社の16日付報道では、日本政府が引き続きTPPを積極的に推進するのは、貿易や知的財産権をめぐる高い水準での合意達成というTPPの成果が、米国の離脱によって無に帰すことをなんとしても防ぎたいからだとしている。
オーストラリアと日本が「意気投合」したことについて、呂室長は、「アジア太平洋諸国との経済貿易の緊密度で欧州をはるかに上回る状況の中、オーストラリアは急速に発展するこの地域に力を貸し、自国の経済発展も実現させたい考えであり、またこの地域で徐々に発言権を獲得したい考えでもある」との見方を示す。
▽「起死回生」できるかどうか断言は難しい
日豪はTPP交渉の持続的推進に強い意欲を示し、軽々しくあきらめるようなことはないとみられるが、「残り11ヶ国」でのTPP交渉の見通しははっきりせず、TPPが「起死回生」を遂げられるかどうか、断言は難しい。
呂室長は、「米国の離脱後、TPPの未来像はかなり割引されたものになる。ベトナムなどの参加国は、米国という大船に乗りたいのが参加の大きな理由だからだ」と話す。