中国の開発金融機関であり、最大の対外投融資協力銀行でもある国家開発銀行。同行は、中国が新シルクロード経済圏構想「一帯一路」の構築を進めるなか、開発金融の優位性を活かして、中国企業の「走出去」(海外進出)を強力に支援するとともに、中国と沿線国の「国際産能合作」(生産能力のグローバル提携)を推進することで、相互利益を実現してきた。
同行は2013年以降、「一帯一路」沿線国との間で、エネルギーや鉱物、航空、金融、化学工業、ハイテクノなどの分野において140件あまりに上る融資協定に合意、融資額は1300億ドルあまりに上った。中国が培ってきた経験や技術、労務の海外進出を促し、沿線国の産業の高度化や経済成長の基盤固めを促進する上で大きな意味を持つものとなった。
2016年の秋には、世界の注目を集めた原子力大手の中国広核集団(CGN)の出資による英ヒンクリー・ポイントC原子力発電所(HPC)の新設プロジェクトが承認された。同プロジェクトは、中国が欧米向けに輸出する自主開発原発技術のシステム工学におけるキーテクノロジーとなるもので、中国広核集団が、仏電力最大手フランス電力(EDF)傘下の原発大手EDFエナジーと共同出資する 英原発新設プロジェクト3件のうち、初事案となるものでもある。