世界知的所有権機関(WIPO)のフランシス・ガリ事務局長はこのほど、中国で開かれる「一帯一路」国際協力ハイレベルフォーラムへの参加を前に、「経済日報」のインタビューに応じた。「一帯一路」建設は、世界各国の協力強化、グローバル化発展に新たなプラットフォームを提供し、「一帯一路」沿線諸国に大きな発展のチャンスをもたらすとしている。
中国の習近平主席は今年1月に国連のジュネーブ事務局で、「人類運命共同体を共に構築」と題した重要演説を行った。人類運命共同体に関する重大な理念を系統だてて包括的に説いた演説は、国内外で大きな反響を呼び、各方面から高い評価を受けた。ガリ事務局長は、「習近平主席が提起した人類運命共同体構築の理念は非常に人心を奮い立たせるもので、世界でいま必要とされているものだ」と指摘。「この理念が世界に伝えようとしているのは、グローバル化の後退ではなく、より高度なグローバル化の模索の必要性だ。グローバル化に参画する者に相互支援を促し、互恵関係の実現を図るものだ」と語った。
中国が提起した「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海上シルクロード」の共同建設の構想についてガリ氏は、「一帯一路」イニシアチブは極めて重要であり、「一帯一路」国際協力ハイレベルフォーラムは良いタイミングでの開催だと指摘した。「一帯一路」建設のこれまでの成果と今後の計画、多国間の国際組織の連携方法などを考えるにあたり、非常に良い時機だとの見方を示した。
ガリ氏は、今のところ「一帯一路」イニシアチブに基づく協力は主に貿易協議の締結と貿易関係の強化だと指摘。今後は沿線国間の貿易協力を一段と強化し、より広く深い協力に向け基盤を固めることが重要だと強調した。これはある種の実務的な協力方式であり、なかでも沿線の発展途上国の貿易協力の能力増強が重要だとしている。