米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の韓国配備の影響で、中国人観光客が激減し、回復の兆しがいまだに見えない韓国の観光業。その一方で、その「恩恵」を受けているのが日本の観光業だ。今年、ひいては2018年も、日本を訪問する中国人観光客が大幅に増加する可能性がある。国際商報が報じた。
この動向は、4月26日にクルーズ運航会社のロイヤル・カリビアンが発表した中国市場の新商品や18-19年の戦略からも明らかだ。同社の北アジア太平洋地域・中国エリアの劉総裁によると、18年、短期コースは日本・韓国のみという制限をなくして7-8泊の便を開設し、新たな寄港先として大阪、神戸、京都、下関、佐世保、名古屋、横浜、マニラ、ボラカイ島の9ヶ所が加わった。
新たな寄港先のうち、7ヶ所が日本で、これまでもあった沖縄や福岡、熊本、広島、長崎、宮崎を加えると、ロイヤル・カリビアンのクルーズ船が寄港する日本の港は10ヶ所を超える。「新しい寄港先を加えることで、旅客にアジア伝統の特徴を味わいながら、全く新しい旅行先でさまざまな文化と風情を楽しんでもらうのが狙い」と劉総裁。
例えば、日本の首都である東京は国際的な大都市で、オシャレで繁栄しているものの、歴史ある伝統も残っており、その鮮明なコントラストは旅客にとってそこでしか味わえない異国の体験となる。一方、数千年の歴史を誇る京都の街をゆっくりと歩くと、美しい山の景色と一体化している数々の神社や仏閣を見ることができる。その日本庭園には金魚が泳ぐ池や桜があり、昔の日本にタイムスリップしたような気分を味わうことができる。寄港先が増えたことで、観光コースもさらにバラエティに富むことになる。広島を例にすると、クアンタム・オブ・ザ・シーズに乗って広島に行く旅客は、第二次世界大戦の空襲で唯一被害を受けなかった厳島神社などの世界遺産の旅コースや、桜を鑑賞したり、日本三名橋に数えられている錦帯橋を見学したり、日本伝統の茶道を体験したりするコースを選ぶことができる。
15年3月、日本は指定のクルーズ船の乗客に対してビザ免除措置を取る新政策を打ち出し、多くの中国人観光客がクルーズ船で訪日するようになった。統計によると、16年、訪日中国人観光客の数は延べ600万人を超え、うちクルーズ船でやって来た客が20%以上を占めた。現在、日本に向かうクルーズを運航する主要会社の一つであるロイヤル・カリビアンは今年と来年日本に重点を置くとしており、中国の日本旅行ブームに一層拍車がかかるのは間違いない。