空中Wi-Fiとはその名の通り、飛行機で使用できる無線LANインターネットサービスである。飛行機で快適に過ごすため、空中Wi-Fiを使用する人は増えている。現在、東方航空、中国国際航空、南方航空、海南航空、春秋航空などの航空会社が空中Wi-Fiを試験導入している。統計によると、外国人の60%以上が無線LANインターネットサービスがある飛行機を優先的に選び、50%が空中Wi-Fiさえあれば他の便利さは諦めてもよいと考える。
「中国民航網」の調査によると、中国の旅行者の73%以上が「移動中に一番したいことはインターネット」と回答。飛行時間4時間以上では、この比率は100%に迫っている。また、「有料でも空中Wi-Fiを利用したい」と回答する人は70%を超え、4時間以上の飛行では88.8%に達した。
空中Wi-Fiの需要増加に伴い、各航空会社もこの業務の導入を進めている。4月12日の中国初の大容量通信衛星「実践13号」の打ち上げ成功は、航空会社の空中Wi-Fi導入を後押しした。中国聯合通信(チャイナユニコム)も空中Wi-Fiの構築計画に加わり、4月下旬にはその全額出資子会社の聯通寛帯在線が航美在線、海特凱融と共同で「聯通航美」の設立を発表した。聯通航美は中国聯合通信に航空Wi-Fiのシステム構築、商品開発、カスタマーサービスを提供する。
空中Wi-Fiの中国でのスタートは遅かったが、発展は速い。2013年、中国国際航空は国内初のグローバル衛星通信ネットワーク便を運航し、1万メートルの高空で乗客にインターネットサービスを提供した。14年4月16日、同社は北京発・成都着のCA4116便でATG方式の空地ブロードバンド無線通信への接続を実現した。
2016年末時点で、米国の航空便の78%が空中Wi-Fiサービスを提供している。中国のインターネット市場の発展も米国に負けておらず、モバイル決済、カルチャー・レジャー、ECなどの分野は米国市場を超えている。しかし、中国の航空会社はまだ空中Wi-Fiサービスを本格導入しておらず、無料体験を行っている段階である。
空中Wi-Fiの導入には多くの投資が必要である。聯通航美の周宏副総経理によると、航空機のハードウェアの改装だけでも約40万ドルかかり、運営費を省いても1機の改装に350万元かかる。
東方航空と南方航空は空中Wi-Fiの利用額を258元に設定しているが、事前申請し体験の権利を獲得すれば無料で使用できる。中国国際航空、海南航空の空中Wi-Fiは無料である。空中Wi-Fiは航空会社に直接の利益をもたらさず、付加価値サービスであり、通信料は航空会社が負担する。
米国の空中Wi-Fiサービス会社のGoGoによると、航空機にデータを送る場合の1メガバイトのコストは20セント、1ギガのコストは約200ドルである。
無料で空中Wi-Fiの将来を支えることは難しく、将来的にビジネス化されることが予想される。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月10日