中銀国際研究部がこのほど発表した「一帯一路特別研究報告書」によると、中国で今月「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)国際協力サミットフォーラムが開催される。一帯一路は今年の中国A株市場で最も注目を集める投資のテーマとなる。同報告書の要約は下記の通り。
グローバル企業から中小企業に至るまで、一帯一路は沿線の新興市場への進出を目指す世界の企業に唯一無二の契機をもたらす。中国企業は既存の実力を元に、事業をさらに展開できる。同計画を支持すると同時に、その実施により利益を手にする。同計画から利益を得られる主な業界は、インフラ、エネルギー、ハイエンド製造、貿易、物流、観光業だ。
鉄道、高速道路、橋、浚渫、住宅建設、火力発電、水力発電、原発セクターの関連銘柄に期待できる。中国はこれらの業界における、世界のリーダーとしての地位をさらに固める。
業界別に見ると、一帯一路の投資と建設は主にエネルギー、運輸、不動産、金属業界に集中し、総額の89%を占める。他にも科学技術、農業、化学、娯楽、公共事業、金融などが含まれる。
インフラ大手は一帯一路から利益を手にする。一帯一路のすべての国・地域の2016年通年のインフラ・住宅投資額は、16兆7000億元(中国の61%に相当)に達する見通しだ。2030年には、中国の一帯一路地域における契約投資総額が1兆4670億ドルに達する。中国のこれらの地域における市場シェアも、現在の5.2%から25.1%に上昇する。
具体的に見ると、エネルギーと運輸は中国による一帯一路海外投資の2大業界だ。前者は2005−16年の一帯一路諸国における投資・建設契約額の51%、後者は18%を占めている。エネルギー類投資・建設契約額は過去4年間で高い割合を維持している。運輸類契約が占める割合は低かったが、今や大幅に上昇している。これは主に一帯一路沿線の交通インフラの大々的な発展によるものだ。中国の2013年のエネルギー投資・建設契約額は280億元、2016年は284億元。運輸は76億元、191億元。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年5月11日