中国中央銀行が5月7日に発表した数値によると、4月の外貨準備高は3兆296億ドルで、前月比で204億ドル増となった。増加は3か月連続。 外為管理局の関係者によると、中国の越境流動資金は4月、引き続きバランスのとれた状態で推移していると述べる。国際金融市場において、非ドル通貨が対ドルで価値を高め、資産価格が上昇した。これを含む様々な作用の結果、外貨準備高が増加した。
民生銀行の主任研究員である温彬氏は「毎日経済新聞」の取材に対し、今年に入ってから外貨準備高が3兆ドル水準を保ちつつ、3カ月連続で増加した理由について、「今年以降の人民元の対ドルレートは安定的で、人民元安予測が後退し、為替決済での赤字と外国為替資金残高のマイナス増加がそれぞれ緩和されたことを主因として挙げる。構造的にみて、貿易は大幅な黒字を維持しており、資本の流出はバランスのとれたものになってきている。
交通銀行金融研究センターの主任研究員である劉健則氏は、5月以降の米ドル指数も低水準で推移し、人民元レートも引き続き安定し、資本の流失も穏やかなものにとどまると予測する。しかし米ドル指数が99ポイントに落ち、短期的には下がる可能性がある。これに加えて6月にFRB(米連邦準備制度理事会)が金利を上げる観測が高まっていることから、米ドル指数が回復する可能性があり、現状の為替レートの良好な流れが削がれるかもしれない。だが総合的にみれば、短期的にみて外貨準備高は安定するとみられる。