●人民元の下落圧力はさらに緩和 中国の外貨準備高が3カ月連続で増加したことについて劉健氏は、その主因を資本流出の緩和と為替レート予測が影響しているためと分析する。4月の米ドル指数は下落し、ユーロやポンドは対ドルでそれぞれ上昇した。概算で見積もると、これによって外貨準備高は170億ドル増加した。
4月10日から5月5日までに、ドル指数は101.19ポイントから98.58ポイントまで下落した。フリーのエコノミストである徐陽氏は、ドルの弱含みが続いていることで、人民元の下振れ圧力がさらに緩和されたと考える。この数か月の傾向から見ると、外貨準備高の多くは米国債券の購入で形成されている。
4月の中国製造業PMIは51.2%で、前月より0.6ポイント減少した。数字が下がったとはいえ、依然として50%の基準線を超えている。国務院発展研究センターの研究員である張立群氏は、これは経済安定に変化がないことを示していると分析する。
九州証券グローバルシニアエコノミストの鄧海清氏は、4月のPMIが3月より減少したとはいえ、依然として2016年10月以降の高水準のPMIを維持しており、非製造業PMIも同様に高い水準を維持していることから、中国経済が安定していることを裏付けていると指摘する。
外為管理局の関係者は、中国の供給サイドの構造改革が推進されるに従い、今後の中国経済は基本的にさらに安定的な作用をもたらすと同時に、人民元の為替レート予測も安定を維持すると述べる。海外資金流動もバランスをとりながら発展することが見込まれ、外貨準備高はさらに安定に向かうと述べている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年5月10日