中国系実業家の企業は、旅館や飲食・サービス業、科学・技術サービス業、不動産・リース業、卸売り貿易業、小売り貿易業などの分野に集中している。
特筆すべきなのは、中国系実業家の企業のうち、従業員を雇っている企業は13万9000社で、全体の26.3%にとどまっている点だ。つまり、7割以上の中国系実業家の企業は、従業員のいない「夫婦経営」ということになる。全体的に見ても、従業員のいる中国系実業家の企業の規模は小さく、1社当たりの従業員数は平均7人にとどまっている。これは、米国の企業全体の水準の3分の1の数字だ。これらの統計を見ると、中国系実業家の企業は、数は多いものの、規模は小さく、収入も少ないという特徴があることがわかる。
場所を見ると、中国系実業家企業が多も多いのが米国のカリフォルニアとニューヨーク。同2州には、中国系実業家の企業がそれぞれ20万5300社と10万5600社ある。米国にある中国系実業家の企業全体の38.8%と20.0%を占めている。
「報告」によると、他の国の中国系実業家と比べて、米国の中国系実業家はハイテクノロジーやイノベーションの面で優位性を誇り、特に、シリコンバレーで独立している、または別の人と共同で経営する中国系実業家の企業が同分野で優位性を誇っている。シリコンバレーには現在、ハイテクノロジー企業が1万社以上あり、米国のハイテクノロジー企業の約半分を占めている。その中でも、中国系実業家が軽視できない存在となっている。例えば、デーヴィッド・スン(David Sun)氏とジョン・ツー(John Tu)氏が共同で創設したキングストンテクノロジーは、メモリモジュールの製造に力を入れており、「車庫」で創業した米国シリコンバレーの創業者の中で成功者となっている。Yahoo! Inc.(ヤフー)の共同創業者の一人はジェリー・ヤン(楊致遠)で、同サイトは世界最大手のポータルサイトになっている。ピーホン・チェン氏が創設した米国のブロードビジョンは、コミュニケーション&ナレッジマネジメントプラットフォームを提供している。