中国包頭鋼鉄集団有限公司は米コロンビア大学グローバルセンターと北京で25日、「中米グリーン・パートナー・プログラム」合弁プロジェクトの進捗状況を発表した。発表によれば、コロンビア大学工学部の研究チームは、製鉄工程で発生する廃棄物を有価物に変換する新技術を開発したもようだ。それは、鉄鋼、製紙、プラスチック、セメント、ペンキ、石油、天然ガスなど多くの工業分野に応用可能で、鉄鋼企業の省エネ排出削減の実現を助け、廃棄物を宝に変え、成長モデルの転換と高度化を促す。
◆廃棄物の再利用に進展
鉄鋼業では、製錬炉で発生する鉱滓(製鉄スラグ)が鉄鋼企業の悩みのタネとなっていた。製鉄スラグには多くの価値ある成分が含まれているが、その大部分は地中に埋められたり積み上げられて放置されてきた。それらは土地資源を占有するだけでなく、重金属は地下水や大気を汚染し、環境問題や健康問題を引き起こしてきた。
米コロンビア大学工学部の研究スタッフがこのほど開発した技術は、製鉄工程で発生する鉱滓を複数の産業で利用可能な安全材料に変えられるという。
研究員によると、二酸化炭素と水蒸気を利用することで、鉱滓の中の金属ケイ酸塩を炭酸カルシウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素に変換できる。同時に、現在再利用不能な鉱滓砂を含め、そのプロセスは廃棄物の種類に応じてカスタマイズ可能だ。変換すれば、鉱滓の1トンあたりの複合価値は、数十元から最大1200元に跳ね上がるという。