「月面小型生態圏」、月でじゃがいもを栽培へ

「月面小型生態圏」、月でじゃがいもを栽培へ。

タグ: 月面小型生態圏 

発信時間: 2017-06-16 15:38:34 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

重慶大学が先ほど発表した情報によると、中国教育部深宇宙探査共同研究センターが組織し重慶大学が担当する科学普及ペイロード「月面小型生態圏」が来年、月探査機「嫦娥4号」の乗客として月に上陸し、人類初の月面生物実験を行うことになった。

「月面小型生態圏」は特殊なチタン合金材料で作られた円柱型の「缶」で、高さ18センチ、直径16センチ、容積約0.8リットル、総重量3キロ。「缶」内は広く、じゃがいもの種、シロイヌナズナの種、蚕卵、土壌、水、空気のほか、カメラ、情報伝達システムなどの科学研究設備を入れることができる。

科学者はこの小さな空間内に動植物の成長環境を作り、生態循環を実現する。真空、微小重力、極端な気温差という外部の条件下、「月面小型生態圏」は気温を1-30度に維持し、適度な湿度を保つ。また光導電セルにより月面の自然光を取り入れ、植物の成長環境を整える。

植物は光合成により炭水化物と酸素を生み、蚕に「消費」させる。蚕は成長中、植物が必要とする二酸化炭素や糞便などの栄養を生む。「月面小型生態圏」は月に滞在する100日の間に、小型生態循環を実現する。

今回の月面生物実験の目標は、月面で動植物の生命周期を実現することだ。実験には100日という期限があるため、科学者はじゃがいも、シロイヌナズナ、蚕を選んだ。この2種類の植物は根を下ろし発芽し、月に初めて花を咲かせる。またじゃがいもは人類が宇宙で生存するための食料源になり、重大な実験価値を持つ。蚕卵は生態圏内で虫卵の孵化、幼虫の成長と発育、さなぎから蝶への変化というすべての生命周期を実現する。この生物実験は小型カメラにより、全世界に生中継される。

中国教育部深宇宙探査共同研究センターの張元勲チーフデザイナーは「同実験の主な技術的な難点は、複雑な月面環境で温度を制御し、エネルギーを供給することにある。気温制御に関しては、外部の保温層と内部の空調により実現する。エネルギーについては、日中は嫦娥4号のソーラーパネルによる全体給電を利用し、夜間はエネルギー密度の高い内蔵バッテリーにより給電し、空調・カメラ・情報伝達システムを稼働させる」と説明した。

NASAの宇宙ステーションで昨年、宇宙初の花が開いた。今回の「月面小型生態圏」の実験位置は高度38万キロで、高度300キロ余りの国際宇宙ステーションより、地球から遠く離れている。月面環境も国際宇宙ステーション内より複雑だ。

「月面小型生態圏」チーフデザイナー、中国教育部深宇宙探査共同研究センター副主任の謝更新氏は「この実験は極めて画期的で、人類が将来的に地球外天体で生存する上で重大な意義を持つ」と述べた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年6月16日

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