オーストラリア・中国商業委員会(ACBC)はこのほど、オーストラリアの首都キャンベラで、『繁栄のパートナー:オーストラリアが中国の投資から恩恵を受ける』というタイトルの研究レポートを発表した。同レポートは、ACBC、デロイト&トウシュ、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)が共同で作成した。
レポートによると、2015年の中国によるオーストラリアでの投資額は750億豪ドル(約3860億元)に上った。鉄鉱石や石炭などのエネルギー産業がメインだった以前に比べ、ここ数年は交通、農産物、保健商品、不動産などの業界に投資が集中し、中国とオーストラリアの経済がサービス業主導へと転換しているトレンドが示された。レポートは、オーストラリアの農業、観光業、医薬・保険という3つの業界に対する中国の投資について重点的に研究。観光業を例に挙げ、中国からの旅行者数の大幅な増加と、同業界に対する中国の投資拡大により、現地のホテル、航空、飲食、旅行記念品などの派生産業がいずれも急速に発展したと分析している。
オーストラリアのターンブル首相は祝電で、中国とオーストラリアが共同で、世界とアジア太平洋地域の安定と繁栄に注力していると指摘。両国が長期的に信頼できる経済・貿易パートナーとして、経済の相互補完が両国にかつてない緊密な関係をもたらしたとの見解を示した。