これは技術者の無人コンビニに対する期待である。店に入ってから出るまで、客のすべての行動がデジタル化され、記録に残る。これらの情報をクラウド化すれば、アルゴリズムを通して非常に価値のある情報が得られる。男性と女性のそれぞれの来店が集中する時間帯、多くの人が通るルート、手にとってまた戻されることが多い商品、迷わずに買っていかれる商品、一番上の棚に置かれている商品は手が届かなくて諦める人が多いかどうかなどがわかる。「その地域の人が小柄であれば棚の高さを調整する必要がある。それだけでなく、予測もできる。例えば、女性客の多くがハイヒールを履いているとセンサーが感知した場合、レディース靴のエリアに半敷や靴擦れケアクリームなどを置いたりできる」と曽暁東氏。
無人コンビニのもう1つの価値は、客が識別されてID化される点である。これにより客にカスタマイズサービスを提供できる。例えば、入店時に過去の買い物記録に基づき、客に買い足しリストを送る。または汗の量や心拍数から運動してきたとセンサーが感知した場合、スポーツドリンクで水分と塩分を補給することを提案し、買う意思があれば「2つ目の棚を右に曲がればある」と導くことができる。
曽暁東氏は、「無人コンビニの技術は、効率向上とコスト削減、コンビニをよりスマートで快適にするものである。螞蟻金融服務の目的は無人コンビニを作ることではなく、実店舗にユビキタスネットワーク決済技術を提供すること」と語った。実験室の技術専門家の陳力氏は、「初期の推算によると、これらのハードウェアの中で支付門の数万元に主にコストがかかった。このようなコンビニは人材コストの削減、客数、客単価、購入率の向上につながる。1~2年でコストをカバーできる」と述べた。
しかし記者がインタビューしたところ、多くの消費者が無人コンビニの正確性、プライバシー侵害、買い物を邪魔されることを懸念していることがわかった。陳力氏は将来のリテール業について、「利用者の体験と感想を考慮する必要がある。AIがどれだけスマートでも、人の性格や気持ちを察することはできない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年7月13日