貨物貿易額が前年同期比で19.6%増加――。2017年上半期の中国の貿易統計は目覚ましい伸びを示した。中国の輸出入は昨年下半期から安定の中で改善に向かう傾向にあったが、今期は半期ベースで2011年下半期以来の高い伸び率となった。
専門家は17年上半期の貿易の高成長について、5つの要因が密接に関わっていると指摘した。
(1)海外からの需要回復で輸出量が増加。
「2017年上半期は、世界経済が緩やかに回復した。これにより輸出量が増加し、輸出総額の伸びに大きく寄与した」。中国国際貿易促進委員会研究院(CCPITA)国際投資研究部の劉英奎・主任は、17年上半期より、世界経済の回復傾向が鮮明となり、国際市場の需要が旺盛となった。これが中国の輸出量8.9%増という数字につながった。
(2)中国経済が安定の中で改善に向かっているため、輸入量の増加も続いた。
17年上半期は中国経済が安定の中で改善に向かった。6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.7と、11カ月連続で景気判断の分かれ目となる50を上回った。国内経済が安定の中で改善に向かったことで、輸入需要が刺激され、中国の上半期輸入量は前年同期比で11.6%増加した。
(3)コモディティ価格の上昇が輸出入の増加を後押し。
国際商品価格の上昇を受け、17年上半期は中国の鉄鉱石輸入平均価格が55%上昇、原油は47.9%、銅は29.5%、石炭は86.3%上昇。これにより中国の輸入価格は全体で12.7%上昇した。輸入価格の上昇は、国内生産を通じて輸出価格を5.6%押し上げた。