近年、デリバリーが人気になったり、高速鉄道が普及したり、消費が高度化したりなどの多くの要素が、インスタントラーメンにとっては、応用のシーンや成長の余地を縮小させる要因となってきた。以前の報告によると、15年、中国の日用消費財市場の売上高の増加幅は3.5%にとどまり、5年で最小の増加幅となった。うち、最強の稼ぎ頭とされているインスタントラーメンの売り上げが12.5%減となった。
苦境に直面し、インスタントラーメン業界はイノベーションとモデル転換を加速させている。例えば、「火鶏麺」や「高湯麺」など、オリジナル化された商品が登場したほか、クオリティの高い5元(約85円)以上の「高級ラーメン」が発売されるようになり、消費が高度化しているのを背景にしたニーズに応えている。
マーケティングリサーチ・市場調査・カンターの消費者指数によると、16年9月の時点で、都市に住む世帯の22.5%が高級インスタントラーメンを購入しており、前年同期比で1.6ポイントの上昇となった。また、月収2万元(約34万円)以上で海外旅行に出かけた人のうち、42.8%が「インスタントラーメンを持っていく」とした。つまり、インスタントラーメンと言えば「ブルーカラー」という時代は終わり、オリジナル化され、クオリティの高いインスタントラーメンが現在、業界の消費高度化を牽引している。