中国標準動車組(新型高速列車)「復興号」が21日、京滬高速鉄道で時速350キロの運行を実現した。これは中国が高速鉄道の営業速度で、世界最速になったことを意味する。
「CR400AF」が登場すると、細長い流線形の先頭車両「飛竜」は「ルックス抜群」と呼ばれた。
なぜ「飛竜」と呼ばれるのだろうか。中車四方股份公司副チーフエンジニアの丁叄叄氏は「先頭車両のデザインは見栄えだけではなく、空気抵抗を下げることがより重要だ。動車組が時速350キロで高速運行中、抵抗の9割ほどが空気から生じる。動車組の動力のほとんどが、空気抵抗との戦いによって消耗される」と話した。
従来の動車組と比べ、復興号の外観には大きな変化があった。CR400AFの車体高度は3.7メートルから4.05メートルに上がり、車体断面積が7.3%拡大した。
「体格」が良くなった以上、先頭車両の空気抵抗を下げる必要があり、設計が難しくなる。
丁氏は「先頭車両の技術の難題を解消するため、研究開発チームは当初、46種のコンセプトを打ち出した。空気抵抗をめぐり大量のシミュレート、風洞試験、模型試験を行った。先頭車両の技術指標と文化的特徴の評価を繰り返し、最終的に飛竜プランを決定した」と紹介した。
先頭車両の製造も、大きな課題だった。同社技術工程部部長の張志毅氏は「飛竜の先頭車両の稜線と曲面は複雑で、80枚以上の板をつなげて出来ている。成形は高い精度を必要とした。80枚以上の板は形状が異なり、溶接箇所は3000本以上あり、つなげると600メートル以上になる。これほど高い溶接の密度には、フラッシュ溶接、水平溶接、さらには仰向けの溶接など、ほぼすべての難しい姿勢が使用されている」と説明した。
飛竜は期待を裏切らず、優れた性能を示している。車両全体の空気抵抗が12%減、1人平均100キロあたりエネルギー消費量が17%減となった。時速350キロで走行時の1人平均100キロあたりエネルギー消費量は、わずか3.8キロワット時だ。
丁氏によると、北京と上海を一往復する際に、5000キロワット時以上の節電効果が出るという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月30日