中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の報告は、全面的開放の新構造の形成を推進するとした。数多くの対外開放措置のうち、「自由貿易試験区により大きな改革自主権を与え、自由貿易港の建設を模索する」が注目を集めている。
いわゆる自由貿易港とは、国と地域内に設立される、税関管理を受けず域外の貨物や資金の自由な出入りを認める港湾エリアのことだ。域外の船舶や航空機などの交通輸送ツールも、自由に出入りできる。
中国本土の都市には、まだ自由貿易港がない。国民が今年3月に印刷・配布した「中国(上海)自由貿易試験区の改革開放の全面的な深化案」は、上海の洋山保税港区や上海浦東空港総合保税区などの税関特殊監督管理エリア内で、自由貿易港エリアを設立するとした。
第19回党大会代表、上海市金融党委員会書記、上海市金融弁公室主任の鄭楊氏は「自由貿易試験区から自由貿易港の建設の模索への移り変わりは、より全面的かつ高水準の対外開放を意味している。これは開放型経済を推進する新しい措置だ」と話した。
第19回党大会代表、陝西省西安市委員会書記の王永康氏は「自由貿易港は自由貿易試験区のアップグレード版であり、一帯一路(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)建設のブースターでもある。これは内陸部の開発と開放に新たなチャンスをもたらし、中西部の発展不均衡を解消する手段の一つでもある」と述べた。
業界関係者は「自由貿易港は通常、開放の程度が最も高い自由貿易試験区とされる。一つの地域、さらには世界的な開放を実現する、貿易中枢センターになる」と指摘した。
中国商務部研究院国際市場研究所副所長の白明氏は「自由貿易試験区を踏まえた上で、自由貿易港の建設を模索する。これにより次の高水準対外開放を推進し、金融やサービス業などの分野の開放のレベルを上げ、力を拡大することができる。より程度の高い資源配置の改善を実現し、国際貿易・投資の新ルールとも連結しやすくなる」と分析した。
「自由貿易港の建設はまだ模索の段階にあり、今後は徐々に推進することになる。まず沿岸部や川沿いの港湾を試行し、条件が揃えば内陸部の空港や内陸港で推進できる」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月24日