「中国が開放している大きなドアが閉まることはない。むしろより大きくなっている」。この言葉は中国金融業の対外開放にも当てはまる。金融監督部門は最近、金融業の対外開放のシグナルを今まで以上に頻繁に出すようになっている。金融業の対外開放は停滞することはないが、一気呵成に開放されることもないだろう。これまでの「積極的に思考、慎重に行動」を維持するはずだ。
今年7月に開催された全国金融工作会議において、金融の対外開放拡大が叫ばれた。人民元レート形成システム改革を深化させ、人民元の国際化や資本・金融勘定の兌換を着実に実現させるというものだ。
確かに、現在の金融業対外開放のポイントは3つに絞られている。1つは人民元為替レート。2つ目は人民元での資本・金融勘定の兌換。3つ目は外資銀行の持ち株比率や業務範囲など金融サービス業の対外開放水準の全面的向上である。
中国人民銀行の周小川総裁は、国内外の異なる状況において、等しく金融業の対外開放をさらに進めるべきだと述べている。今後の人民元為替レート改革について同氏は、「浮動区間の為替レート規制はすでに減少している。為替レートは主に市場の需給関係の変化で決まる。浮動区間の幅が広がるときもあるが、それは開放拡大のシグナルだ。為替レート改革が前に進んでいることを意味する。人民元はますます自由通貨になっていく。それは長い時間を必要するものの、引き続き前進していくだろう」と述べている。