中国の成功したモデルが他国の参考に

中国の成功したモデルが他国の参考に。

タグ:中国共産党第19回全国代表大会

発信時間:2017-10-31 16:21:09 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 


日中経済協会

調査部長 高見澤学

 

 中国共産党第19回全国代表大会が今年10月18日から北京の人民大会堂で開催された。開幕式で習近平総書記は報告を行い、過去5年間の実績を総括し、経済発展が新常態に入るという大きな変化の中で、安定の中で前進するという方針を堅持し、改革開放と社会主義現代化建設の歴史的成果を挙げたと述べた。

 

 中国の経済発展に追い風となった「第四次産業革命」

 

 習総書記が述べたように、確かに経済建設の面では、この5年の間に国内総生産(GDP)が54兆元から80兆元に増え、供給サイドの構造改革は大きく進展し、経済構造は高度化に向かって進みつつあることは間違いない。また、一帯一路、京津冀、長江経済ベルトという三大地域構想は地域経済の大いなる発展に向けて着実な取り組みが始まっている。更に、イノベーションを原動力とする発展戦略も次々と実施され、産業や業界の枠を越えた融合により、従来にはなかった新たな種類のビジネスが生み出されている。その結果、中国経済は着実に安定成長の道を歩んでいる。

 

 こうした実績が積み上がった背景には、経済のグローバル化の進展とともに、インターネットやモバイル通信等に代表される情報通信技術の発展がある。また、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、ビッグデータなどの技術革新の進展により、「第四次産業革命」といわれる産業の大転換と、それに伴う社会の大変革が、現在の中国の経済成長に大きな追い風となっており、そして、こうした社会の変化が世界の他の国々との距離をより身近に感じさせ、経済のグローバル化を更に加速させる好循環のサイクルを確立させている。


  世界の新たな秩序形成に独自の提案を


 今、中国はこれまでの経済発展の実績を背景に、より一層の自信を強め、世界の他の新興国や発展途上国と連携しながら、新たな世界秩序の構築に独自の提案を提出しようとしている。2013年に習総書記によって打ち出された「一帯一路」構想は、協力を望む国々との間で、インフラ開発のみならず、多方面にわたる分野での連結強化を図るもので、今年5月に北京で開催された「一帯一路国際協力フォーラム」では、中国側からその具体的な行動計画が示された。また、第13次五カ年計画では、この構想を「京津冀(北京、天津、河北)一体化」や「長江経済ベルト」とともに、中国の経済発展の原動力の一つとして位置づけている。


 こうした中国の経済発展のモデルは、これから新興国や発展途上国が経済成長を目指す上で大いに参考となることは違いない。ただ、それぞれの国によって政治制度や経済システム、或いは文化・習慣などの違いがあるため、中国モデルの基本理念を把握しつつ、それぞれの国に合わせて作り変えていくことが重要である。もちろん、こうした手法は先進国、更には従来の世界経済システムにも言えることで、客観的に中国の手法の良さを取り入れていく工夫をすることが重要であろう。


 21世紀に入り、中国が未曽有の経済発展を遂げ、欧米の先進国と肩を並べ、追い抜き、今や世界経済に大きな影響を与えるほどに成長したことは事実である。この現実を抜きにして、今後の世界経済を語ることは、まさに不可能と言えるだろう。そして、こうした実績があるからこそ、中国は自信を強めているのである。

 

  世界経済システムの構造的問題の解決のために


 世界経済が回復基調にあると言われる中で、確かに数字的には良い見通しが示されていることは、直近の国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しを見ても明らかである。しかし、その回復が完全ではなく、中期的リスクに対する課題があることは、IMF自身も認めている。顕在化してきた構造的な矛盾を根本的に解決することが、今後グローバル経済を発展させる上で重要なことであると思われる。そして、より大きな役割を果たすことが、中国に求められていくことだろう。




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