投資機関12000社、資産運用管理額8兆5000億元、登録従業員13万人、この3つの数字は2017年の中国の非上場株式(プライベート・エクイティ、PE)投資規模の現状を示している。PE専門調査機関である清科集団が先ごろ発表した「中国非上場株投資市場年報2017」によると、2017年1-11月の中国非上場株投資市場新規設立ファンド数は3418件、資金募集規模は1兆6100億元、うち人民元建てファンドは3339件、資金募集規模は1兆5000億元に上った。業界関係者のなかでは「2017年は中国非上場株投資市場の全面回帰の年」との見方も出ている。
投資ブームが盛り上がる中で、もう1つの変化が起きている。中国本土では「ユニコーン企業」(企業価値が10億ドルを超える非上場のベンチャー企業)が急成長しており、世界の投資市場が注目していることだ。米国の有名ベンチャー投資調査会社のCBインサイトが先ごろ発表した「世界ユニコーン企業ランキング」によると、2017年はランクインした214社のうち中国企業が55社を占めた。
国際会計事務所デロイト(Deloitte)と中国の株式投資コンサルティング企業の投中信息(China Venture Investment Consulting)が共同で発表した「中米ユニコーン企業研究報告」によると、2017年6月末時点で企業価値が10億ドル以上ある非上場企業は世界で総計252社、合計評価額は8795億ドルに上った。地域別の企業数を見ると、米国と中国が1、2位を占め、占有率は米国が42.1%、中国が38.9%と大半を占めた。
今後、中国のベンチャー投資市場が進むべき道はまだ長い。2018年の展望について業界では、「人工知能(AI)、インターネット+工業、5G、工業モデルのイノベーション、新小売、消費の高度化などの発展余地が拡大し、2018年の投資の焦点になる見通し。また、一段と多くの『ユニコーン企業』が生まれる見込み」との見方が出ている。