中国企業の海外での債券発行がピークを迎えている。ブルームバーグの統計によると、2017年に入ってから中国企業が海外で発行したドル建て債は約1800億米ドルと、前年より70%増加し、過去最高を更新した。業界関係者は、「中国企業の海外での起債規模は来年も高い水準を維持し、2000億米ドルに上る可能性がある」と予想する。
今年の中国企業による海外での起債急増について、業界関係者は「国内債券市場での資金調達コスト上昇と無関係ではない」と指摘する。JPモルガン・チェース債務資本市場中国主管の謝桐氏は、「国内市場は17年下半期より金利がハイペースで上昇しているため、発行者が金利だけを基に比較検討した場合、海外での起債は中長期的に見て一定の優位性がある」と分析した。
短期的なコスト要因以外にも、中国企業の海外での起債急増は、中国企業自身の需要や海外市場の特徴とも関係が無いわけではない。多くの中国企業が海外でプロジェクト運営やM&Aを進めるなか、それに応じた資金需要があり、海外での資金調達意欲も高い。資金調達をめぐるさまざまな模索や試みを経て、海外での起債は成熟した資金調達チャネルとなった。「海外で起債する中国企業は、その多くが新しい企業で、初めて海外で起債する企業ばかりだ」と、謝桐氏は語る。