AG600「鯤竜」が24日午前、初飛行に成功した。AG600は中国の森林消火・海上救助の切実な需要を満たすため初めて開発された、大型特殊用途民間機だ。これは国家緊急救助体制の構築に必要な重大航空装備品であり、開発中としては世界最大の水陸両用機でもある。初飛行の成功は、中国の汎用航空産業、さらには航空産業全体の重大かつ歴史的な進展だ。
AG600は国産Y-20大型輸送機、C919大型ジェット旅客機と共に、中国大型機の「三銃士」と呼ばれている。同機は片持ち単翼、3点降着装置、同一機体による水陸両用機という構造を採用しており、国産WJ-6エンジン4基を搭載。最大離陸重量は53.5トン。大量の物資を乗せることができ、長航続距離・航続時間という特長を持つ。
AG600の最大の特長は、陸地の空港と水面で離着陸できる点だ。空を飛べば飛行機、水につけば船で、森林消火と海上救助の武器になる。森林消火では、何度も往復することで効率的に水を運ぶ。20秒で12トンの水を汲み、1回で4000平方メートル以上の面積に水を撒く(サッカーコート1枚分に近い面積)。海上救助では迅速に反応・到達し、複雑な気象条件であっても救助が可能だ。波の高さが2メートル以内であれば離着陸でき、1度に50人の遭難者を救助できる。
AG600はさらに必要な設備を改造することで、海洋環境観測・保護などの任務の需要を満たし、「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の海上航行安全保障及び緊急支援を提供できる。大型水陸両用機を開発・配備しているのは、ロシア、日本、カナダなど少数の国に限られている。
2009年6月に国から許可が下り、2012年に重要技術の難関突破を終え初歩的な設計を完了し、2016年7月に総組立が完了し、今や初飛行に成功した。AG600は8年以上に渡る、苦しい開発期間をへている。国内の20省、150以上の企業・事業単位、10校以上の大学、数万人の科学研究者が協力し、空気抵抗と水の抵抗を融合させた設計及び試験の技術といった世界的な難題を解消した。全機で5万以上の構造と部品のうち、98%が国内のサプライヤーから提供されている。全機に搭載されている完成品のうち、95%以上が国産品だ。
初飛行により、試作機の開発から試験飛行の段階に入った。今後は開発、試験飛行、型式合格審査試験飛行などを行う予定。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年12月25日