中国環境保護部は9日、山東凱馬汽車製造有限公司、山東唐駿欧鈴汽車製造有限公司が大気汚染防止制度に違反したとして、行政処罰を決定した。基準値を超過する自動車の生産、汚染防止装置のデータ改ざん行為を厳罰に処した。両社が科された罰金は約3877万元。
改訂版の大気汚染防止法が施行されてから、環境保護部は初めて自動車製造メーカーの行政処罰に踏み切り、巨額の罰金を科した。環境保護部環境観察局の田為勇局長は「これは類似する環境違法行為に対して強い抑止力を生む。自動車による汚染防止は、青空防衛戦に勝つための重要な措置だ。工業汚染源の『散乱汚』の改善などの措置に続き、環境保護部は今年、自動車汚染の管理を強化し、全国で自動車及びガソリン製品の監督と検査を展開する」と話した。
環境保護部自動車排出汚染監視センターの丁焰副主任は「ディーゼル車は自家用車とは異なる生産用車であり、多くの荷物を積むほど稼ぎが大きくなる。そのため割安で、ランニングコストが低く、酷使されるようになっている。自主ブランドを始めとする中国ディーゼル車業界では、低価格競争が顕著になっており、節約できるだけ節約されている。使用中のメンテナンスもなおざりにされがちで、排出の基準値超過が深刻だ」と指摘した。
丁氏は「ディーゼル車の汚染が非常に目立っており、大気汚染防止の重要な部分となっている。大型ディーゼル車の保有台数は自動車全体の10%未満だが、窒素酸化物の排出量は移動源の6−7割を、粒子状物質の排出量は9割以上を占める。ガソリン車が車検に一回で合格する確率は8−9割だが、ディーゼル車は5−6割のみだ。路上検査の大型トラックの合格率も半分ほどだ」と説明した。
近年の改善により、国4ガソリン(EURO4相当)の偽造品の販売が根絶され、汚染防止装置が車両に設置されたが、新たな問題が生じている。これはOBD(自動車自己診断機能)システムの不正操作だ。丁氏は「これは業界内では公然たる秘密になっているほどだ」と述べた。
OBDシステムはエンジンの稼働状況から自動車排出ガスが規定を超過していないかを観測し、超過すれば直ちに警告を出す。警告灯が点滅し、故障情報を記録する。OBDシステムは汚染防止装置であり、自動車が基準を満たしているかを見張るコンピュータ情報システム、自動車排出ガスを制御する最も重要な装置だ。
丁氏は「ソフトを改造し、OBDシステムを遮断すれば、警告灯が点滅することはない。車用尿素を使わなくても正常に運転でき、多くのコストを削減できる。しかし汚染は深刻で、窒素酸化物の排出量は基準値の10−20倍になり、淘汰された老朽化車両を上回るほどだ」と警鐘を鳴らした。
丁氏は「OBDシステムの不正操作を処罰内容とすることには、象徴的な意義がある。これは人々に対して、より高額な低排出ガス車を購入するのだから正常に使用すべきであり、OBDシステムの不正操作などが発覚すれば賠償を請求すべきという情報を伝えている。違法自動車メーカーは利益を手にするだけで、責任を回避することはできない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月10日