英フィナンシャル・タイムズは15日、「中国の回収業者、政府のゴミ輸入撲滅期間に操業停止」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
煙台市路旺村は長年に渡り、プラスチックを溶かす嫌な匂いに包まれていた。現地には「洋垃圾」(海外ゴミ)を加工する数十軒の工場があった。しかし今やこの村は静かになり、昔ほど嫌な匂いはしなくなった。輸入(廃)プラスチック回収業界の取り締まりにより、欧米の港湾にゴミの山ができているが、これによって操業停止したかのようだ。
同村の事務所で働く鄭民さん(音訳)は「昔はよく英国からプラスチックゴミを輸入していたが、今は税関で止められる。政府の検査員は昨年5月に村を訪れ、現地の回収業者を閉鎖させた。当社の発展はプラスチックだけが頼りだ。回収により数百万元をもうけ大企業を作った人もいるが、これは今や失われてしまった」と話す。
中国は今月より、廃プラスチックを含む24種の固体廃棄物の輸入禁止を開始した。中国廃プラスチック協会のデータによると、中国は2016年に廃プラスチックを700万トン以上輸入し、同年の世界の輸出量の過半数を占めていた。今や回収業者が存在しないことから、廃プラスチックを輸出していた多くの国には、埋め立てか焼却以外の選択肢が残されていない。国際環境NGOグリーンピースによると、2012年以降、英国だけでも中国に廃プラスチックを270万トン輸出している。英国の当局者は、これほど大量の廃プラスチックを消費できる市場は他にないと認めている。一部の米国企業も今や選択肢がなくなり、廃プラスチックを現地の倉庫や駐車場に積むしかなくなっている。インドネシアなどの代替市場は現在、まだ発展していないからだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月16日