中国の新たな金融開放版図が完成した。最近の財経高官談話や金融監督管理部門が発表した今年の重点任務によると、銀行業、証券基金業、保険業に代表される金融サービス業の開放が、2018年の金融開放の最優先事項となる。
金融サービス業の開放拡大は必然的な流れで、金融開放の別の側面となる金融市場と資本勘定の両替自由化が今年も進展する見通しだ。6日の2018年中国人民銀行工作会議では、「債券市場の双方向開放の拡大」と「人民元国際化の着実な推進」の方針が打ち出された。同日開催の全国外国為替管理工作会議でも、「外国為替管理改革の深化により、金融市場の双方向開放を推進し、国家全面開放の新たな枠組みにつなげる」方針が示された。中国政府は今後、一定期間にわたって外国為替管理の重点作業を進め、クロスボーダー貿易投資の自由化と利便性の向上で対外貿易のイノベーション発展を支えながら、自由貿易試験区の外国為替管理試験を着実に行い、資本勘定の両替自由化を段階的に進める。
現在のロードマップをみると、中国の金融サービス業の開放度は大きく上がり、市場予想を上回っている。金融市場の双方向開放も、年内に徐々に進み見通しだ。国家外匯管理局局長の潘功勝氏は7日に文章で、金融市場の双方向開放と証券市場の双方向開放を着実に進め、国内株式と債券市場の開放を継続し、「債券通(ボンドコネクト)」の改善と「滬倫通(上海・ロンドン相互取引)」の研究を通じて上海・香港、深圳・香港の株式市場相互取引を支える方針を明らかにした。また、適格機関投資家(QFII、RQFII、QDII、RQDII)の外貨管理制度の改革も進める。市場主体による資産配分の利便性を大きく拡大し、商品先物など国内デリバティブ市場の対外開放を拡大するとしている。