2018年平昌冬季五輪が9日夜に開幕した。朝鮮と韓国の選手が手をつなぎ入場した。両国の選手が聖火を韓国のフィギュアスケート名選手、キム・ヨナさんに手渡し、ヨナさんが自ら点灯した。この一幕は現場とテレビの前の観衆に、厳冬の中の温かさをもたらした。開幕式を見に行った中国人客も、主催国の隅々に行き渡る中国の要素に温められている。
平昌冬季五輪の室内競技の開催地である江陵は人口がわずか5万人だが、観戦に訪れた中国人客は意外なことに喜んでいる。この町の多くの場所に「中国らしさ」があり、スキャンすることでお得になるというのだ。例えば現地のネットで評判の豆腐店で、中国人客は現地の美味しい料理を楽しむと同時に、支付宝(アリペイ)でQRコードをスキャンすることができる。店主は「私は支付宝が好きだ。使いやすく、QRコードを置くだけでいい」と話した。これは中国の科学技術が、中韓両国の店と観光客を結ぶ一つの縮図に過ぎない。
平昌では、GS25、CU、セブンイレブン、emart24というコンビニチェーン4大手が支付宝をサポートしている。またスターバックスや現地で人気のあるカフェでも、支付宝が利用できる。ユーザーが携帯電話で決済用QRコードを開くだけで、店側はスキャンし料金を受け取ることができる。言葉の通じない中国人客にとって、これは親しみやすく便利なサービスだ。
支付宝の韓国進出は、一日のうちにたちまち実現されたわけではない。観光客は中国式モバイル決済の海外進出の、3年間の成果を実感しているのだ。データによると、支付宝は2015年より韓国の店に進出した。韓国では現在、オフライン数万店舗が支付宝をサポートしている。空港、すべての免税店、百貨店、コンビニ、化粧品店、飲食店などを網羅している。スターバックス全1150店舗、有名チェーン店(焼肉等)、さらには現地の小さな飲食店でも支付宝が使える。うち最も観光客の間で人気の高い明洞では、焼肉店や大型百貨店など、9割の店舗が支付宝をサポートしている。さらに支付宝があれば韓国現地の公共交通カードを購入でき、仁川国際空港などでリアルタイムの税還付を受けることができる。
韓国は冬季五輪招致を3回連続で申請したが、今回の冬季五輪により平昌を含む韓国北部の観光などの産業を発展させようとしている。冬季五輪組織委員会が発表した統計データによると、中国人客は今回の冬季五輪のチケット販売に59万枚貢献した。韓国現地の業者によると、多くの業界が中国人客に対応しようと、中国語のできる学生を雇っている。言語面の親密感を高めるほか、冬季五輪が観光客の消費をもたらすことから、中国人が慣れ親しんでいるモバイル決済(支付宝など)への対応も不可欠だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年2月12日