(一)中国が自国の市場を育てる上で理想的な環境と条件がある
国家発展改革委員会の何立峰主任は「昨年の中国経済は複雑な情勢に直面したが、中国の各種活動は比較的良好な成果を手にした。中国の現在の人口は14億人弱で、急成長する中間所得層は、一部の統計データによると4億人以上いる。国別で計算すると、世界一だ。これは中国が自国の市場を育てる上で、理想的な環境と条件を創出した」と表明した。
何主任は「我々は今年の6.5%前後という経済成長目標の達成に自信を持っている」と述べた。
(二)財政赤字の対GDP比の低下がマクロ調整の実施に向け大きな余地を残す
今年の政府活動報告によると、中国の財政赤字の対国内総生産(GDP)比目標を、今年は昨年より0.4ポイント引き下げ2.6%とする。
中国財政部の肖捷部長は「今年の予算の財政赤字は2兆3800億元に基づき計画されている。この規模は昨年の赤字規模と同等だ」と話した。
財政赤字の対GDP比の低下は、中国経済が安定しつつ好転し、財政状況の改善が続いていることと合致している。また中国経済の長期的な発展、効果的なマクロ調整の実施に向け、大きな余地を残す。
(三)M2の予想・目標への重視を弱めている
中国人民銀行(中央銀行)の易綱副総裁は「今年の政府活動報告は、広義マネーサプライ(M2)と民間の資金調達規模を合理的に増加させるとし、数や指標については言及していない。これは新しい変化だ」と述べた。
市場の掘り下げと金融の革新により、M2という指標の経済情勢との関連性があいまいになっている。各国もこのような状況に直面しており、そのため世界の圧倒的多数の国がM2の予想・目標への重視を弱めている。
(四)中国政府の負債率は36.2%で世界で警戒ラインとされる60%を下回っている
ある国際機関は、中国政府の今年の直接債務はGDPの40%に達し、2020年には45%にのぼる可能性があると予想した。中国の地方債務リスクも拡大を続けるという見方もある。
肖部長は「中国の政府債務には、中央財政国債、地方政府債券、整理・判別・認定済みの2014年末までの政府債務残高が含まれる」と専門的に解説した。
2017年末の中国政府債務残高は29兆9500億元だ。これに基づき計算すると、中国政府の負債率(債務残高の対GDP比)は36.2%であり、世界で警戒ラインとされる60%を下回っている。
肖部長は、中国政府債務のリスク指標水準は、今後数年に渡り2017年と比べ「明らかな変化は生じない」と予想した。
(五)リスク防止と改革は対立しない
中国人民銀行の周小川総裁は9日、記者からの質問に回答した際に「リスク防止と改革は対立せず、一致するはずだ」と発言した。
監督管理の改善、リスク低減を受け、金融面のその他の取り組みが加速し、拡大することになる。
(六)不動産金融リスクがコントロール可能だ
中国人民銀行の潘功勝副総裁は、不動産金融リスクについて「中国の不動産信用貸付は全体的に見て高品質で、不動産金融リスクはコントロール可能だ」と話した。
銀行業金融機関の不動産の不良債権率は1%未満で、銀行業全体の不良債権率は1.85%。うち個人向けの不動産の不良債権率は0.3%のみ。頭金は平均で33%以上に達しており、昨年の新規貸付の頭金は平均で37%となった。これは世界的に見ても、非常に慎重な住宅信用貸付政策だ。
(七)中央企業の利益の振替を試行
国務院国有資産監督管理委員会の肖亜慶主任は「中央企業3社を選び、一定の比率と管理要求に基づき、試験的に利益の振替を行っている」と表明した。
利益振替後に中央企業の負担が生じることはない。これまでと同様、中央企業の経営に影響を及ぼすことはなく、混合所有制企業における民間企業の経営に影響を及ぼすこともない。これは国有資本に属する利益の振替だからだ。
(八)中国は依然として外資系企業の人気投資先
中国商務部の鐘山部長は「世界銀行の報告によると、中国の経営環境の利便性は、この5年間で18位浮上した。昨年の中国の外資導入額は世界2位の1363億ドルに達し、記録を更新した。これは中国の経営環境が悪化したのではなく、より良くなったことを意味している。中国は依然として、外資系企業の人気投資先だ」と述べた。
中国の開放の扉が閉ざされることはなく、大きく開かれるばかりだ。中国の外資導入は、3つの「不変」を堅持する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月15日