高度成長から質の高い成長へと新たな段階入りした中国経済。今年の全国両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)では、「質の高い経済成長」という言葉が頻繁に取り上げられた。
両会に出席した代表委員らからは、新たな発展理念の貫徹と供給側の構造改革推進を柱に、市場化改革と資源配分の改善継続に努め、イノベーションによる質の高い成長を大いに促進することで、質の高い経済成長に資するよう不断に取り組むべきとの意見が出された。
■科学技術イノベーションは質の高い成長促進に向けたエンジンであり、地域発展の質を高めるカギでもある
全国人民代表大会(全人代)代表で江蘇省党委員会書記を務める婁勤倹氏は、「経済発展の進んでいる省として、江蘇省は質の高い成長の中でも先頭を切るべきだ」と指摘。質の高い成長をめざす中で一番の核心となるのはイノベーション主導による成長だとした上で、最大の目標は現代化された経済システムの構築であり、中でも喫緊の課題は総合的な交通システムの構築だと述べた。中国経済が高度成長から質の高い成長へと路線を転換する中、企業も単なる規模拡大から質の向上、収益性の向上をめざすべきと提言した。