世界の原油先物とは何が違うのか?
世界の原油先物市場を見ると、ブレント原油先物は世界の、WTI原油先物は米国の原油スポット価格を決定する基準となっている。発表された「上海国際エネルギー取引センター原油先物基準契約」によると、中国原油先物はこの2種の原油先物と比べ多くの異なる点を持つ。
取引品種を見ると、中国の原油取引は中質・硫黄含有原油であり、残りの2種の原油先物取引は軽質・低硫黄含有原油となっている。
姜洋氏は「どの油を選ぶのか」という問題について「輸入される原油のうち43%は中東のもので、中東が最大の供給元となっている。中国の輸入原油の品種構造と実体経済の需要を考えると、上海先物取引所の原油先物契約は、WTIやブレントと異なる中質・硫黄含有原油をターゲットとする」と話した。
また記者の調べによると、原油先物によって最小価格変動、決済方法、ストップ高・安の制限、デポジットの要求、取引時間などが異なっている。例えば中国原油先物のストップ高・安の範囲は±4%だが、ブレントにはストップ高・安という制限がなく、WTIはストップ高・安の制限とサーキットブレーカー制度を持つ。
なぜ人民元建てなのか?
「人民元建て」は、中国原油先物の見所の一つだ。計画によると、原油先物は人民元建てで決済され、米ドルなどの外貨をデポジットとして受け入れる。
中国証券監督管理委員会先物部の程莘副主任はこのほど、メディアのインタビューに応じた際に「中国の原油先物は人民元建てで決済される。その価格が示すのは輸入原油のCIFで、国内原油関連企業は価格変動リスクを管理しやすくなる」と指摘した。
国務院発展研究センター対外経済研究部の王金照副部長は「石油の人民元建て決済・価格設定・取引により、石油輸出国は為替リスクを回避しやすくなり、両替費用を節約できる。さらに人民元の国際化を促すことができる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月27日